2005年6月13日(月)16:49

EUは憲法危機の脱出路を模索

ルクセンブルク(AP)

危機に陥ったEU憲法を協議する首脳会議を3日後に控えて、EU加盟国は仏蘭の国民投票否決への対応方法を必死に模索している。しかし月曜日にルクセンブルクで行われた外相会談では中期予算計画の歩み寄りは見られなかった。EU拡大に対する懸念を逸らすため、各国外相はすでに予定されているトルコとの加盟交渉開始を首脳会議の議題から外すことを決定した。

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は、2007年から2013年のEU予算計画の協議が決裂する可能性に公に言及した。「課題は大きい」。「最終的に解決できるかは、成り行きを待たねばならない」、と外相は述べた。ゲルハルト・シュレーダー首相はベーラ・アンダ広報官を通じて、私は「楽観的であるが、過度に楽観的というわけではない」と語った。首相は今晩ベルリンでイギリスのトニー・ブレア首相と会談を行う。

ブレア首相は会談前にあらためてEU農業補助金の削減を要求した。削減しなければイギリスの拠出金割引の交渉には応じられない。農業従事者はEU人口の5パーセントに過ぎず、EU総生産の2パーセントしか占めていないのに、EUが予算の40パーセントを農業補助金に充てているのは誤りだ。「21世紀初頭という時代にこのような予算がEUの抱える諸問題への解答になるかどうか、私たちは問い直す必要がある。私は正しい解答とは思わない」、とブレア首相は主張した。

アンダ広報官は、ドイツは農業補助金の問題でフランスと「完全に同一路線」であると述べた。フランスのジャック・シラク大統領は農業予算の削減を断固拒否している。アンダ広報官は、ドイツ政府は歩み寄りの用意があるが、すべての国が譲歩することが前提であると強調した。フィッシャー外相は、「今の時点で合意の試みがどの程度現実的かを判断する」のは議長の権限である。中間結果を取りまとめ、「その後次の議長国イギリスに継続協議を委ねる」ことも考えられる、と語った。

当初予定されたEU拡大に関する首脳会議声明は外相協議で削除された。もはやトルコ、クロアチア、ブルガリア、ルーマニアについての言及はない。代わりに「拡大の必要性」のみ指摘されることになる。フランスのフィリップ・ドストブラジ新外相は、フランスの国民投票ではEU拡大に対する人々の懸念が表明された。「このことを私たちは良く考える必要がある」。EU内ではこの件に関する議論が不足している、と語った。

欧州委員会のベニータ・フェレロヴァルトナー外交担当委員は、「私の考えは、拡大のスピードを若干抑えることだ」。今必要なのは「EU市民が一息入れ、加盟交渉を駆け足で行わないこと」である、と主張した。外交筋は、フランスとオランダの国民の多くが新たな拡大ラウンドに対する不安からEU憲法に反対票を入れたと指摘している。

しかしトルコとの加盟交渉を10月3日に開始するという決定は維持される。クロアチアとの加盟交渉開始の時期はまだ決まっていない。同国は依然国連戦犯法廷と十分な協力を行っていないためである。EUは3ヶ月から4ヶ月後に新たな判断を行う意向である。

EU憲法の批准手続きを中断なしに継続するか否かはまだ決まっていない。フィッシャー外相は、これはまずは各国政府の判断に委ねられると述べた。外相は拙速の決定を戒め、必要なのは時間をかけた議論であり、これを今から開始することが求められると語った。

原題:EU sucht nach Wegen aus der Verfassungskrise




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